RAID
RAIDは、複数の記憶装置を束ねて一つの記憶装置として見せかけることで、耐障害性を上げる技術である。(一部例外アリ) よく誤解されるがバックアップではない。
特徴
HDDが動かなくなる/認識しなくなるといった障害が起きた際に、システムが停止しなくなる。 反面、どうしても処理が増える為に書き込み速度は落ちる上、バックアップデータ確保の為に容量を使うことになり、 ユーザが全ての領域を使うことができなくなる。 なお、読み込みは高速化する場合が多い。
利用にはRAIDコントローラというものが必要であり、サーバでは一般的に用いられているが家庭用の物はあまりない。 ……が、2017年現在、一般でもハイエンドなマザーボードには(高速化の為に)搭載されるようになってきた。
種類
実際にどのようにデータを書き込むかによって分類され、主に以下が利用される。
名称 | 必要な数 | 回復できる数 | 使える容量 | 速度 | 備考 |
---|---|---|---|---|---|
RAID 0 | 2 | 0 (例外) | すべて | 一個の時より早い | 唯一の例外、高速化の為に利用される |
RAID 1 | 2 (偶数) | 1 | 半分 | そこそこ早い | コストが安くて速度も早め |
RAID 5 | 3 | 1 | 枚数-1個分 | 普通 | コストとパフォーマンスのバランスが良い |
RAID 6 | 4 | 2 | 枚数-2個分 | 遅め | 厳重な耐障害性が欲しいときに |
RAID 10 | 4 (偶数) | 1 | 半分 | 早め | 速度とコストを両立したい時に用いられる |
RAID 50 | 6 | 2 | (枚数-1個分)の半分 | そこそこ早い | かなり高コスト |
これは一例であり、他のRAIDも存在する。 またRAIDコントローラにより、偶数じゃなくてもRAID1/10を組めるものも存在する。
バックアップではない。
最初にも説明した通り、RAIDはバックアップにならない。 理由は以下の通り。
- 物理的に同じサーバに接続される為、ディスク以外の理由でサーバが止まるとRAIDとは関係なくサービスが止まる。
- データの中身は一切確認しないので、誤ってファイルを消した等の論理的ダメージは一切保護しない。
あくまでもHDDの物理的障害を回避するための技法である。 過信しすぎず、効果的に利用しましょう。